【本感想】武田信玄の一生がここに!小説「風林火山」新田次郎の信玄愛に浸りきれ

読書感想

 今回紹介する作品は、「新田次郎」の「武田信玄」です。

 戦国最強と言われる武田信玄の一生を丁寧に描いた歴史小説の傑作です。

 作者の「新田次郎」は、長野県諏訪市出身であり、戦国時代当時武田家が収めていた場所の出身でした。

 その「新田次郎」が100カ月かけて描いたのが「武田信玄」です。

 原稿枚数3000枚の超大作!

 文庫として「風」「林」「火」「山」の合計4冊です。

 読む順番は「風」「林」「火」「山」の順番でOK。

 この作品がオススメの人は 

オススメの人

武田信玄が好き

長野県・山梨県出身

戦国時代好き

武田信玄ってどんな人か知りたい

 方々です!

 作品の感想については、基本ネタバレなしのため、まだ読んだことのない方でも安心して本記事を読んでもらえます。

あらすじ

 父武田信虎を今川家に追放した主人公武田晴信(のちの武田信玄)。

 父を追放し、若き甲斐の領主として信濃統一を目指す。

 その後、終生のライバルである上杉謙信との川中島の戦い。

 今川家を織田信長につぶさせるための策謀。

 北条家との外交など。

 京都に武田家の旗を掲げるために生涯をささげた武田信玄の一生を描いた傑作歴史小説です!!

感想

武田信玄の生涯

 武田信玄が甲斐の国の領主になってから亡くなるまでを描いた物語が特徴!

 若い信玄が破竹の勢いで信濃を統一していく凄さに圧倒し、武田信玄唯一の大敗北の砥石崩れ。

 その敗北から信玄はどう変化していくのか。

 忘れてはいけない終生のライバル上杉謙信との川中島の戦いの描写も必見ですし、とにかく武田信玄という人間を知りたい!という方に必須の作品です。

 別名「武田信玄の図鑑小説」

 …勝手に私が言っているだけですが……。

 「武田信玄」を読むことで、武田信玄のリーダーシップ・経営・外交などが丸わかり。

 現代に生きる私たちが読むことで生き方の参考にもなるので、まさに一石二鳥の作品です。

 かの有名な徳川家康が尊敬していたとされる理由がよくわかるんですよね。

 あまり詳しく書くとネタバレになってしまうため、これ以上詳しい内容を話すことができないのが残念です…。 

武田家の立地の悪さがハード

 武田家が当時収めていた甲斐の国は、現代でいう山梨県です。

 海がなく貿易ができず、決して恵まれた土地ではありませんでした。

 現代でも、「移住支援情報ポータルサイト 移住支援.com」というサイトで2019年に実施された「住み続けたい都道府県ランキング」でも43位という優秀とは言えない成績です。

 しかも、周辺には、上杉家・北条家・今川家などの超有名どころの戦国武将と隣接しているという。

 まさにハードモード。

 これだけ見ても、京都に近く、父の代から交易を積極的に推し進めて地盤がしっかりとできていた織田信長は有利な位置にいたことがわかります。

 その武田信玄が戦国最強の一角と言われるまで勢力を拡大させたと考えると、武田信玄の凄さがより際立ちますよね。

戦国時代の非情さが際立つ

 「武田信玄」を読んで1番思ったことが、戦国時代の非情さです。

 相手の土地を侵略する際は容赦がないんです。

 侵略される側は虫けらのような扱いと言っても過言ではありません。

 百姓が作った農地は燃やされるし、食料は取られる。

 男は戦死、女は物のように扱われ、子供だって生きていけません。

 負けた方の土地の描写が描かれるたびに心が痛むんです。

 そして、武田信玄は基本的に勝者側なんですよね。

 つまりは、主人公側の兵がそういった非人道的な行為を当たり前に行っていたということなんです。

 確かに、武田側の兵士は百姓で、戦で駆り出されている人がほとんど。

 生死をかけた戦いで生き残ったことを考えると…戦国時代って怖いなって思いました。

 私はこの時代ではなく現代に生まれて本当によかったです。

 さらに非情なのが、この「武田信玄」という作品全体に漂う「結核」という病です。

 この「結核」という病の描写により「武田信玄」という作品の非情さが際立ちました。

 私がここまでいう「結核」の怖さは、ご自身で読んで確認してください。

「武田信玄」を読み終えたら

 「武田信玄」を読み終えたら、次は、武田信玄亡き後の武田家を描いた同じく新田次郎の作品「武田勝頼」がオススメ!!

 武田信玄亡き後、武田家を滅ぼしたと言われた武田勝頼…。

 武田勝頼は果たして凡愚か? 

まとめ

 戦国最強の一角である武田信玄。

 その武田信玄の一生を堪能できるのが「武田信玄」です。

 また、真田家が好きな私としては、ところどころ出てくる真田幸隆と真田昌幸の活躍もワクワクしながら読んでいました。

 亡くなるタイミングが違っていたらという「もし」が最も気になる武将の1人なのは間違いないですよね。 

                         以 上

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