今回の感想記事は、アニメ映画「ストレンヂア-無皇刃譚-」です。
2007年上映の少し古い映画ですが、「ストレンヂア-無皇刃譚-」は唯一無二と言っても過言ではないスーパー傑作な映画です。
「ストレンヂア-無皇刃譚-」は
こんな方にオススメ
鳥肌が立つほどカッコいいアクションシーンが好きな方
時代劇が好きな方
犬が好きな方
制作会社のボンズが好きな方
に特にオススメです!
私の感想に入る前に、「ストレンヂア-無皇刃譚-」の公式サイトにある著名人の感想を見てください。
「ボンズの南プロデューサーがまたくそまじめな作品を作りやがった! 時代物あまりに丁寧な作り、というところからスタッフの命がけの挑戦魂、ただならぬ気迫、南Pの鋭くこだわった品質管理の視線を感じる! しかも人が人の命をあやめる戦いには正義もへったくれもない!! …という内容をアニメでだ。このすさまじき戦いの空しさを描写しつくすため、現実に血みどろの努力をしていたであろうスタッフに涙だ!! 特にラストの度肝を抜く30分は一度入ったら逃げ出せないほど観客の心をわしづかみにするド迫力の展開!! 最後のアクションを何回でも繰り返して鑑賞するのがアニメ通の正しい作法だ! これを観るためだけに金を払ってまったく損はない!!」
島本和彦(「炎の転校生」、「逆境ナイン」、「アオイホノオ」漫画家)
公式サイト「BONES/ストレンヂア製作委員会2007」より引用
「ストレンヂア-無皇刃譚-」の公式サイトに載っている著名人たちが有名な方ばかり。
気になった方は、公式サイトをのぞいてみるのもいいかもしれないですね。
この記事は、前半は、まだ「ストレンヂア-無皇刃譚-」を見たことがない人に向けて、ネタバレなし感想になります。
後半は、「ストレンヂア-無皇刃譚-」を見た方と感想を共有するという意味で、ネタバレあり感想になっているので、まだ「ストレンヂア-無皇刃譚-」を見ていない方はご注意ください。
なお、「ストレンヂア-無皇刃譚-」だと長いので、以降は「ストレンヂア」と表記を統一いたします。
あらすじ

時は戦国時代。
民国の刺客から追われている少年・仔太郎と愛犬・飛丸。
ある日、仔太郎が刺客に連れ去られそうになったところを、偶然一緒にいた男に助けられる。
その男の名は、「名無し」。
自分の名前が無く、どこかの大名に仕えているわけでもない根無し草の浪人・名無し。
仔太郎は、自分を助けてくれた名無しの剣の腕を頼って、名無しを用心棒として雇うことに。
なぜ仔太郎は民国の刺客から追われなければいけないのか?
今、2人と1匹の戦いの幕が開ける!
ネタバレなし感想

これほどカッコいい時代劇アニメは他にあるか!?
「ストレンヂア」は、いわゆる時代劇アニメだと思います。
みなさんは、時代劇アニメと聞いてどんな作品が浮かびますか?
私は、正直全然浮かびません。
しかも、原作が小説やマンガなどの作品をアニメ化ならまだしも、完全オリジナル作品は浮かびますか?
みなさんも、たぶんすぐには浮かびませんよね。
そんなアニメっぽくないジャンルでここまで凄い作品を作れるとは!と感動したのがこの「ストレンヂア」でした。
最初の燃える寺から逃げる仔太郎たちのシーンから最後のEDまで、一切妥協することなく作られた時代劇に拍手を送りたい。
正直、私は、時代劇を見ることはありません。
ですが、歴史・時代劇小説は好きなため、時代劇というジャンルは大好きです。
その私が太鼓判を押したいのがこの「ストレンヂア」。
詳しく話すとネタバレになってしまうので話せませんが、アニメーションの1つ1つが本当にカッコいい!!
アニメと言えば、キャラを売りにする作品が多くありますよね?
そうなると、やっぱり女の子や女性が画面に出た方が華があってよいというのは分かります。
華がないとアニメを見れないという方に強く伝えたい。
この「ストレンヂア」には華がほぼありません!
とにかく男臭い!
それでも、ストーリー、絵で魅せるアニメの最高峰の1つがこの「ストレンヂア」です。
華がないって理由だけで見ないのはもったいない!
名無しの生き様に感動
主人公名無しの生き様がカッコよくて泣けてくるんです。
浪人として放浪していた名無し。
それはなぜか?
なぜ刀が抜けないように縛られているのか。
ネタバレになるので詳しくは話せませんが、この辺りの名無しの葛藤と、その葛藤に答えを出した名無しのアクションシーンはまさに必見です!
チャンバラシーンの作画はアニメ史上№1か?
私がアニメの制作会社の「ボンズ」が大好きな理由の1つとして、この「ストレンヂア」を見た影響が大きいんですよね。
それほど、「ストレンヂア」のアクションシーンの作画は素晴らしい。
単純なチャンバラのアクションシーンだったら、私が今まで見たアニメの中で1番だとはっきり言えるほど凄いんです。
このアクションシーンの凄さは、公式サイトにあったこの方の感想でよくわかります。
「安藤監督は僕がもっとも上手いと思うアニメーターの一人だ。彼の描くアクションは重力を無視しない、力感に溢れるもので、男らしい。その彼が監督として時代活劇に真っ向から挑み、見事にやり遂げた。ぶつかり合う刃(やいば)から立ち昇る、鋼の匂いがするようだ。」
原 恵一(「クレヨンしんちゃん オトナ帝国の逆襲」「河童とクゥの夏休み」監督)
公式サイト「BONES/ストレンヂア製作委員会2007」より引用
私の語彙力のない感想よりも、この方の言葉がぴったり!
重力を無視しないアクションシーンってめちゃくちゃカッコいいですよね。
これなんです!
「カウボーイビバップ」もそうでしたが、私は、重力のあるアクションシーンが大好きなんです!!
最近のアニメでも、凄い動く作画はよく見ますが、個人的には軽いんですよね。
この重さをアニメで表現するのは、本当に大変なんだろうなぁって思いながら「ストレンヂア」を見てください。
衝撃を受けるぞ!
愛犬飛丸がとっても可愛い
「ストレンヂア」のオススメしたいポイントの1つとして、愛犬飛丸の可愛さをあげたい。
この飛丸の忠誠心が可愛いし、仔太郎を助けるために名無しと一緒になって戦う飛丸の姿に感動しますよ。
「SHIROBAKO」を見たことがある方ならわかると思いますが、動物の作画って難しいとのことです。
それを踏まえたうえで、飛丸と馬の作画を見てみると、凄いって思えます。
「ストレンヂア」をお得に見るなら
「ストレンヂア」は、現在アニメ配信サイトで、見放題で見ることはできません。
そのため、GEOなどのレンタルショップでレンタルするか、アニメ配信サイトでレンタルするかの2択になります。
アニメ見放題サイトでオススメなのは、レンタルできる「U-NEXT」か「Amazonプライム」の2つです。
この2つのサイトでどちらがオススメなのかは、人によって変わるんですよね。
そのため、自分がどちらのサイトがオススメなのかは、私のこの記事を参考にしてください。
アニメを見るなら「dアニメストア」と「アマゾンプライム」のダブル契約がお得!?ほかの見放題サイトと比較して解説します。
ネタバレあり感想

名無しが本当にカッコいい!!
名無しがカッコいいっていうのが、「ストレンヂア」の魅力の1つですよね。
名無しの声を出しているのが、元ジャニーズの長瀬智也さんなんですが、違和感なし!
長瀬さんの声カッコいいって思いながら見ていました。
また、名無しと仔太郎の絆が深まっていく旅の模様が見ていて飽きない。
特に、旅の過程で徐々に明かされていく名無しの過去がいいスパイスになっていました。
特に印象に残っているのが、祥庵に「お前も私と一緒だ」って言われて回想に入るところなんですよね。
そこで初めて、私たち視聴者は名無しが抱えている過去を知ることになりました。
このシーンは見ていてつらかった。
名無しは優しいし、臆病なんだろうな。
それがあったからこそ、もう刀を抜くことはしないと誓ったのがよくわかる。
その後の名無しが刀を抜くシーンなんて圧巻!!
名無しが刀を抜いた後からは、1秒たりとも目が離せなくて、途中からは謎の涙が出てくるんですよね。
無事、仔太郎を助けてエンディングとなるわけですが、名無しは生きてるのか死んでるのか…。
みなさんはどちらだと思いますか?
私としては、生きていてほしい!と切に願っている。
仔太郎が渡した報酬の棒?で致命傷は避けていたんだろうし、生きていてくれ…。
名無しの人生はこれからだと思うんですよね。
だけど、最後の仔太郎の悲しそうな表情や、馬の足跡に点々と残る血の描写が怖い。
この辺りは、見た方の想像にお任せしますなんだろうなぁ。
チャンバラのアクションシーンは、アニメ史上最高の出来!!
「ストレンヂア」のアクションシーン圧巻じゃないですか?
これほどのアクションを作れるスタッフは何人いるんだろう?
2007年のアニメですが、今この感想を書いている2022年になっても色あせない。
それどころか、私の中では今なお頂点にいる。
キャラの動きだけじゃなく、背景描写やBGMも最高なんですよね。
終盤の砦の三つ巴のバトルありましたよね。
あの砦に作られた儀式用の建造物なんて、縦横無尽のアクションをするために建てられたのに間違いないですもん。
あの建造物のおかげで、アクションシーンに立体感が生まれてさらに迫力が増してました。
随所でカッコいいアクションシーンはありましたが、ラストバトルの名無しVS羅狼が最高でしたよね!!
仔太郎の
「異人が仲間を斬った…残りは1人だけだ。」
からの最強BGM「異邦人の刃」が流れ始め…。
ここからのグルグル回るカメラアングルや、バトルが始まる前の静かな会話。
この会話が実は好きなんですよね。
明国の人間は、みんな薬を使って痛みを無くしていたが、羅狼だけは最初から薬を使っていませんでした。
その薬を断る名無しのセリフを聞いて笑顔になる羅狼がまた良いんですよー!!
その後、名無しが手を温めるために火のところまで行って、手の動きを確認して刀を構える。
そこからのバトルスタート!
この後のバトル中の雪の描写凄くなかったですか?
また、刀が徐々に刃こぼれしていくのが分かる細かい描写。
そして、刃こぼれするだろうなっていうのが伝わる火花。
死闘を繰り広げる2人の息づかい。
これらすべてが、アクションシーンに説得力を与えていました。
最後のぶつかり合いで名無しが羅狼の腹から刀を抜いた後に息を吐きだす描写。
ここで、視聴者もやっと一息つけた。
まさに最高峰のアクションシーンと言っても異論はないと自信を持って言えます。
「ストレンヂア」のアクションシーンの魅力を語ってくれている著名人のコメントをもう1つ見てもらいたい。
「劇場で固唾をのんでアニメーションでなければあり得ない剣戟を見よ! アニメーションの醍醐味にあふれたチャンバラアクション映画です!日本の、ボンズのアニメは凄い!」
水島精二(「機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)」、「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」監督)
公式サイト「BONES/ストレンヂア製作委員会2007」より引用
まさにボンズのアニメは凄い!!
まとめ
知る人ぞ知る時代劇アニメ映画のトップである「ストレンヂア」。
私自身、「ストレンヂア」を超えるチャンバラのアクションシーンに出会ったことはありません。
それほど、「ストレンヂア」のアクションには熱があります。
アクション以外にも、分かりやすいストーリー、可愛いワンちゃんと、オススメしたいポイントは山ほどあります!
これほどのアニメ映画ですが、あまり知名度がないような気がしているんですよね。
私のこの記事で、1人でも多くの人が「ストレンヂア」に興味を持ってくれたなら嬉しいです。
以 上
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