漫画感想 藤田和日郎作 月光条例感想 おとぎ話はなぜ世界中で読まれ続ける!?

漫画感想

 この漫画は、最近涙を流していない…涙活をしたい!方

 物語を作る人はどういう気持ちで物語を作っているのかを知りたい方

 物語に触れる際の価値観を変えてみたい方

 なぜ人間は物語を生み出していくのかを考えたい方

 などにおすすめです

 私自身、この漫画の影響により、物語の大切さを再認識することができました

 物語は、私たち人間が生きていくうえで絶対に必要であり、その物語にたくさん触れてほしいという思いで、初めての漫画感想記事でこの物語を紹介しようと思いました

あらすじ

 

 

 何十年かに一度真っ青を月の光によって、おとぎ話の世界がおかしくなる

 だからおとぎ話の長老たちはたった一つの法律を作ったんだ

 それが「月光(げっこう)条例(じょうれい)

 以上が簡単なあらすじです

 もう少し具体的に話すと

 月光条例に選ばれた人間に月光条例を執行するのに必要な「極印」を与え

 その極印を使ことにより、おかしくなったおとぎ話を正常に戻すことをいいます

 ちなみに、選ばれた人間のことは「執行者」と呼ばれます

 今回の月光条例の執行者に選ばれた人間が、本作の主人公の「岩崎月光」になります

 おかしくなったおとぎ話の世界を正常に戻すとはなんぞやと思いますが、おとぎ話がおかしくなるというのを正確に言うと

 おとぎ話に登場する登場人物がおかしくなるということです

 おとぎ話にはおとぎ話の世界があります

 おとぎ話の世界の住人たちは、そのおとぎ話のキャラクターを演じており、それを「読み手(人間)」が見ているという世界観です

 その演じていたおとぎ話のキャラクターがおかしくなって、自分の世界のおとぎ話の納得がいかないことなどに怒って暴れるというイメージです

 それを5日間放っておくと、物語が消滅して、物語もその物語を読んでいた人間たちの記憶からも物語が消えてしまう

 それを防ぐために、主人公岩崎月光が物語のキャラクターたちに月光条例を執行(こん棒でぶん殴る)していくという物語です!!

おすすめポイント

 あなたにとっての物語とは!?

 

 あなたにとって物語とは何ですか?

 暇つぶし?

 娯楽?

 生きていくうえでなくてはならないもの?

 皆さん物語に対してはいろいろな思いがあると思います

 この作品を読めば物語に対する価値観が変わると思います…

 深く書くとネタバレになるため、これ以上は割愛します

魅力的なおとぎ話のキャラクターたち!

 と、そのキャラクターと「読み手(人間)」たちが紡いでいく濃密な物語です!!

 おとぎ話のキャラクターたちは、おとぎ話の中で自分の役を演じているという設定のため、おとぎ話内とは性格がだいぶ違うキャラクターが多いです

 例えば

 車いじりが好きなシンデレラ

 ダムデストロイが口癖の赤ずきんちゃん等

 これについては、もしかしたら賛否両論があるかもしれません

 このキャラクターたちが受け入れられないと、この物語は読めないかもしれません

 ですが、おとぎ話の住人たちは、自分たち「読み手(人間)」と変わらない1人の人間なんだという理解のもとで読んでもらうと、この物語の深みが増すかもしれません

物語に対する主人公の喝

 物語のキャラクターたちがおかしくなって、自分たちの物語に対して思っていることを吐き出してきます

 それに対する主人公月光君の喝が心に響きます

 シンデレラの幸せとは

 フランダースの犬のラスト

 浦島太郎のラスト

 他にもさまざまな物語について言及されます

 例えば、あなたはシンデレラの最後は幸せだと思いますか?

 大好きな王子様と結婚してお姫様になります

 たまたま魔女が魔法をかけてくれたから、ほかの貧しい女性と自分との違いは?

 こう考えるシンデレラに対して何を言いますか?

 フランダースの犬のネロ君に対して、死ぬのが正解だったとあなたは言えますか?

 浦島太郎は玉手箱を開けておじいちゃんになりました

 乙姫様のその仕打ちはひどいことですか?

 安心してください!!

 全部作中で月光君が答えを出しています

 また、その答えによって、正常に戻った物語に変化が起きたりします

 演じている物語のキャラクターたちが、自分の物語の在り方に答えを出して、ちょっと自分流にアレンジしたりします

 ただ、中盤終盤と読んでいくにかけ、前半の月光君の答えが正解だったのかどうかということが問われていくことがまた味のある展開だと思います

泣ける!途中涙が止まらない作品たちが続く!!

 涙を流すなら藤田作品と言っても過言ではないと思っていますが、この物語もしっかりと泣かせてくれます

 途中の「雉も鳴かずば撃たれまい」「マッチ売りの少女」のダブルコンボに私は毎回泣かされます

 あまり書くとネタバレになるので、感動ポイントは割愛します

作者の20年前の自分に対するアンサー漫画

 この物語の作者は、「うしおととら」などで有名な藤田和日郎先生になります

 そのうしおととらの第一巻の折り返しカバーの作者のコメント欄に

 小さいころに読んでもらったマッチ売りの少女が気に入らなかった

 なんでかわいそうな女の子がかわいそうなコトになっちまうんだと本にパンチしてもむなしいだけだ

 だから僕はそのパンチを代わりにうしおととらにやってもらうことにした

 というような内容を書いてます

 これを書いたのは、1990年になります

 その後月光条例の1巻が発売するのが2008年

 その間実に約20年間、藤田さんがこの期間物語を生み出し続けた結果、マッチ売りの少女という作品に対してのアンサーを出した漫画だと思います

 作中で、マッチ売りの少女やその作者であるアンデルセンを通して答えを出したと思っています

 この作品は、作者の藤田さんの物語に対する思いがつまった漫画になっています

 逆に言うと、思いが詰まりすぎていて、中には話についていけないと思う方がいるかもしれません

 そのため、世界中の人に読んでもらいたいとは思いますが、賛否両論があるのは自覚したうえでもお勧めしたいまんがになります

今日の一言

 私がこの物語で一番心に残ったのは

 なぁ月光、人間ってヤツは「夢」がねえと生きちゃいかれねえもんらしいぜ

 です

 この言葉は主人公月光の育ての親であるおじいちゃんの言葉です

 これは、第二次世界大戦の後におじいちゃんのお母さんの話をまとめた際に出てきた言葉です

 戦争で何もかも失ったおじいちゃんのお母さんが焼け野原で拾った1冊の絵本、それを読んだ瞬間涙が止まらなかったと…

 そこで上の言葉につながっていきます

また、このお母さんが読んだ絵本で私たち読者の涙を誘ってくるから藤田さんの作品は素晴らしいと思います

 マッチ売りの少女に対するアンサーというのは、私がこの物語を読んで勝手に思った感想になりますので、私のこのブログの内容が作者の伝えたいことだったのかどうかはわかりません

                                         以 上

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